こんにちは、めぐる(@fpmeguru)です。
母親と祖母が、詐欺にあいました。
半年ほど前に同居している母親が。
そしてつい最近、近くに一人で住んでいる祖母が。
詐欺というのは、「焦り」を利用して判断能力を低下させるものが多く、人が焦る要因の一つは、「時間がない」ことです。
他人から見ると
いやそれ怪しいでしょ…
と思えても、その時の当人には、正確な判断力は失われているのでしょう。
危機管理能力や危険察知能力が低いのもあるとは思いますが、これに関しては脳の衰えだったり、世代の違い(特に小さい頃からインターネットに触れている私たちと、そうでない世代には、インターネットへの理解の部分で大きな違いがあるので、これは個人の責任というには可哀想なことだと思います)だったり、色んな要素があるので、「気をつけてね!」と言われて治るものでもないです。
だから、ご年配の方が狙われやすくなるのでしょう。
問題は
何故一人で解決しようと思ってしまったのか
何故、実際に行動する前に(お金を振り込むとか、クレジットカードの番号を入力するとか、口座番号を教えるとか…)の前に、相談してくれなかったのか
というところだと思うんです。
これって
私たちが、「忙しい」という言葉で、心の盾を作っていたせいなのかもしれない
と思いました。
「忙しい」って言われると、何も言えなくなってしまう経験、皆様にもありませんか?
例えば、恋人同士の場合。
「忙しい(からしばらく会えない)」
「忙しい(から連絡返せない)」
「忙しい(邪魔しないで)」
たった一言の「忙しい」という心の盾を構えられることで、言われた側は、何も伝えられなくなってしまうのです。
…いや、そんなの気にせず何でも言う人もいるとは思いますが…。大抵の人は、少しは遠慮してしまうのではないかな。
私も、それで何も話さなくなってしまった経験があります。
日々のちょっとした出来事から、きちんと相談したい事、精神的にちょっと頼りたいなって思った時。
「あ…でもきっと仕事中だもんね」
「忙しい時にこんな連絡して、迷惑かもしれない」
そして、LINEを打つ手を止めたり、通話ボタンを押す手を止めてしまいました。
逆に、私が心の盾を構えて、相手を遠ざけてしまった経験もあります。
26歳の時、大学の同級生の結婚式がありました。
当時私は仕事を夜遅くまでやっていたのもあり、「ご飯行こうよ!」ってお誘いも、「ごめんその日は仕事で(T_T)」と、断ることが多かったのです。
その結婚式の時に
「来てくれて本当にありがとう!!めぐるちゃん、いつも忙しそうだから、来てくれないかと思った!」
と言われて
あ…そんな風に思わせてしまっていたんだ。
と、すごく悔やみました。
きっと、ご飯の誘いも、結婚式を招待してくれる時も、「断られるかもしれない…」という気持ちもありながら、誘ってくれていたんだな。
また仕事でも、忙しそうにしている上司には、話しかけづらいっていう経験、ありませんか?
一生懸命空気を読んで、今だ!って時に話しかけたら、「忙しいんだけど!何!?(怒)」なんて言われた日には。
ホウレンソウ全てがダメになる瞬間ですね。笑
しかもそれで、自分の判断で進めて間違えると、また怒られるんですよね。
相談しろ!→自分で考えろ!→相談しろ!…の繰り返し。
意思の疎通が全くできていないですね。
「忙しい」は、心の距離を遠ざけてしまう言葉なのかもしれません。
詐欺にあった母親も祖母も、「なんかちょっと変だな…」と思った部分はあったそうです。
でもその「違和感」を誰にも話さず、事を進めてしまいました。
せめて、電話をくれていたら。
「今仕事中だろうから、出ないだろうな…」
「今出かけてるし、邪魔しちゃ悪いな…」
と、思ってしまったのかな。
家族って距離感が難しくて、機嫌が悪い時に当たってしまったり、イライラをそのまま出してしまったり、冷たく言い放ってしまったこともあります。
そういうことの積み重ねだったのかな…。
その後、母親も祖母もすぐに周りに相談してくれたため、被害総額はそこまで大きくなりませんでしたが。
本人たちも相当ショックだったと思います。
「何か不審に思ったり、不安になった時は、いつでも連絡してね!」
「今週は忙しくて会えないけれど、この日は遊びに行こう!」
「ごめん今手が離せなくて、この仕事が終わったら聞くから、ちょっと待ってて!!」
「忙しい」という言葉を、自分の都合で使いたいなら、その一言で良いと思いますが、
相手に信頼してもらったり頼ってもらいたい場合には、もう一言・もうひと工夫、必要なのではないかな。
自分の周りの大切な人と、きちんと信頼関係を築けるように頑張りたい、と思った出来事でした。