こんにちは、めぐる(@fpmeguru)です。
今回は「〈大手3社〉貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」というセミナーに行ってきたので、そちらの感想です!
Contents
セミナーの概要
貸付型クラウドファンディングの大手3社、SBIソーシャルレンディング株式会社・ロードキャピタル株式会社・クラウドクレジット株式会社による合同セミナーでした。
前半、各々の会社の提供するサービスの特色、ファンドのリスクとリターンなどをご説明頂きました。
後半、参加者の方々からの質問に答えて頂く機会が設けられました。
何故私がこのセミナーに参加したのか
私は「OwnersBook」(ロードキャピタル株式会社)で少しだけ投資しています。
その記事はこちら。
ただ、ソーシャルレンディングに関しては正直なところ、あまり積極的に投資しようとは思っていません。
というのも、「リスク」に対する理解が曖昧な部分があるから。
貸倒れ、返済遅延等のリスクもありますが、ハッキリ言うと歴史が浅いことに関する不安が一番大きいのです。
ソーシャルレンディングのリスク〜事業者リスクについて〜
こちらについては、SBIソーシャルレンディングの渡部様よりお話がありました。
今回私がリスクとして一番聞きたかったのは、真ん中の項目。いわゆる事業者リスクです。
これについては、凄く納得するお答えを頂きました。
「ユーザーが増えて、案件が増えれば、事業者は当たり前に選ばれる」
正に、その通りだと思います。
業界として成熟するほど、ユーザーや取引先の目は肥えて、ダメな事業者は淘汰されます。
なので私は、多くの人が利用している証券会社は、事業者リスクは低いと思っているんですね。
新しく入ってきた会社も、良ければ徐々に色んな人に使われるようになるし(ネット証券が良い例)、ダメならダメな部分が明確に情報として流れます。すると、ユーザーも離れていきます。
そういう点で、ソーシャルレンディング業界は現状、どうかなぁ…
まだ投資商品としてそこまで浸透していないし、ユーザーも手探りな部分もあるのではないでしょうか。
これは私の意見ですが、ソーシャルレンディング業界は、まだ「ダメな事業者は勝手に淘汰されていく」状態にはなっていないと思っています。
これが私が投資を積極的に行っていない理由の一つ。
この「貸付型クラウドファンディング」という制度が悪いものだとは思っていませんし、ソーシャルレンディング事業をやっている会社を信用していない!というわけではありません。
しかし私は金融業界や不動産業界で働いているわけでもなく、一応制度等を把握して納得して投資しているとはいえ、知識が少ない(判断に自信がない)のです。
ここはもっと専門的な知識のある人たちがたくさんユーザーとなり、色んな見解を表してくれることを待ちたいというのが本音です。
SBIソーシャルレンディング
ここからは、各会社のお話をまとめていきます。
はじめに、SBIソーシャルレンディング様。
SBIソーシャルレンディングの仕組みです。
どのような案件を扱っているかです。(今はやっていない案件もあります)
お話を聞いていて、きちんとリスクに対する配慮をしているんだなぁと感じました。
ソーシャルレンディングって今結構人気が出てきていて、案件を出したらすぐに埋まり、融資をしたい人が列を作って待っているような状態なんですね。
それでも、貸せる相手・貸せる案件をきちんと選ぶ!(厳しい基準があるのでしょう)
そのためには資金使途が大事だそうです。これは融資の基本!…らしい。
お金を貸す時に
・融資の金額
・いつ貸すのか
・いつ返ってくるのか
・何に使うのか
・担保
など色々とチェックする項目があるのですが、ここで大事なのが「何に使うのか」。
素人目だと、担保が大事なんじゃない?って思っちゃいませんか?
SBIソーシャルレンディング様によると、担保はリスクコントロール(損失削減)として考えるそうです。
まずは「何に使うのか」で、ちゃんと返せそうかどうかを判断することが大事なんですねぇ。
ロードキャピタル株式会社(OwnersBook)
…なんか、自分が使わせてもらっているモノ(サービス)の代表取締役が出てくるって、すごいな…。笑
OwnersBookは不動産特化型のソーシャルレンディングです。
ロードキャピタル株式会社様は、元々不動産の会社で、今でも不動産事業をメインにしつつ、ソーシャルレンディング事業もやっているそうです。
こちらがOwnersBookの仕組みです。
リスクに対する見解。
OwnersBookは不動産しか扱っていないので、担保は必須です。
また不動産は、最悪物件を売却して回収をすることができます。
専門的なリスク回避は勿論ですが、関係者との対話というのも、疎かにしてはいけない部分なんだなぁと思いました。こちらを結構強調していましたね。
ちなみにOwnersBookは、今まで貸倒案件はなし!だそうですよ♪
クラウドクレジット株式会社
今回のセミナーの主催である、クラウドクレジット株式会社様です。
遅延・元本割れの状況。他2社に比べると、少し多いですね…。ただ、色んな所で発生しているわけではなく、ひとくくりの案件ではあるそうです。
株式と比べたら、元本割れの確率は低いかもしれませんが、これリスクを自分でコントロールできないという最大のリスクがありますからね。
詳しくは後述しますが、元本割れの確率だけで考えては危険かなぁ…と思いました。
クラウドクレジット様がいうには、とにかく分散投資が大事だと。
20〜30件投資していれば、1つがダメになってもダメージは少ないですよね。
やはりここでも、リスク分散ということになるのか…。
ユーザーの分散投資を促すための取り組みもしてくれています!
あとは、ロボ?AI?的なやつで、リスク許容度に合わせて色んな所に自動的に投資してくれる、みたいなものを考えているらしい(私がこの分野に疎くて、うまく説明できない!)。
ただこれは、法律の関係で、今は難しいとのこと。
Q&A
後半の、参加者からの質問にお答え頂いたものをまとめます。
・自社の商品を買っているか?
→基本的に、運営者側は投資できないそうです。(投資家よりも先に情報が入ってきたりするもんね…)
ただ一部投資できる商品があって、それは社員さんも結構投資していたみたいですよ♪
・(クラウドクレジット様)何故エストニアの会社を経由しているのか?
ク→法律や税制的なところで、一番都合が良い。
専門的な話はちょっと難しかったので割愛!
クラウドクレジット様は海外案件も扱っているので、日本の法律だけでなく、貸付先の現地の法律や税制も影響してくるんですね。
それで、そのエストニアの会社を経由するのが一番都合が良いそうです。
・案件をどのように見つけてくるのか?
→これは3社とも、自ら営業に行くことはほとんどないそうです。
来た案件に対して審査する、既に貸付した所からの紹介など。
・需要が増えると利回りは下がる?
S→利回りが下がるというより、利回りのラインナップを増やす。
ロ→結果として下がることはあるかもしれないが、その分法規制がしっかりする、ユーザー等の監視の目が肥える等の要因で、リスクも下がっているはず。
ク→案件は無限にあるのだが、それは絞っている。
・顧客層や平均投資額
ロ→30代〜40代が多い。男性8割、女性2割くらい。
投資額は1案件につき20〜30万円が多い。(1万円の人もいれば、100万円の人もいる)
富裕層よりも、働いていて投資をする暇がないような人にも不動産投資を経験してほしいという思いでやっているそうです。
・世界経済が悪化した場合、どうなる?
ク→株式との相関関係は低い(これまでのデータ有り)ので、分散投資になる。
・何故ソーシャルレンディングが流行っているのか
S→以前は借り手の開示をしてはいけなかったが、今はしても良いことになった。これで少し不透明性がなくなったかもしれない。
まだ流行りというほどではなく、ユーザーは業者を信頼して出資しているということだと思う。
ユーザーが増えて案件が増えれば、当たり前に業者は選ばれることになる。
・投資の損益分布
ロ→4%以下 2件(3.8%募集)
4〜5% 46件
5〜6% 73件
6%以上 5件
・海外案件で、為替変動で元本割れするケースは?
ク→トップページに載っている。為替変動よりも貸倒リスクの方が圧倒的に多いので、過度な心配はしなくても大丈夫だと思う。
・(SBIソーシャルレンディング様 )申込の上限を設けることは考えているか?
S→上限金額を定めることは、積極的に考えている。ただ、まずは募集金額を全額集めることが借り手側のためにも重要なことなので、そこはきちんと考えたい。
抽選は、射幸心を煽るようで個人的にはあまりやりたくないとのこと。
流動性が低い(貸したら期限まで返ってこない)という商品の性質もあり、競りというか、そういう雰囲気にはしたくないそうです。
・(ロードキャピタル様)何故ソーシャルレンディング業をやるのか?※売上効率は良くない
ロ→不動産投資に個人も参加してほしい。
リーマンショックの時に、個人でお金を動かせる人はいた。銀行がダメになっても、個人のお金が動かせれば、マーケットも活性化したかもしれない。
また、不動産業をやっている上で、いざとなったらお金を調達できる環境があるのは良い(勿論投資家様の許可はとって)。臨機応変に動けるし、より良い案件も調達できる。
・(クラウドクレジット様)海外案件は、言葉や文化の違いは大丈夫なの?
ク→言語の問題はない。英語とスペイン語ができる人がいて、それで大丈夫だそう。
仕事としてやっているので、財務・ガバナンス・マネジメント等に関しては、そこまで違和感を感じたことはない。
サービスレベルの違いは少し実感することはある。
改めて私が考える、ソーシャルレンディングのリスク
今回のセミナーで、リスクに対して明確になった部分もありました。
結局のところ分散投資!
まずは投資先の分散。
例えば10万円投資しようと思ったら、1つの案件に10万円ではなく、5つの案件に2万円ずつ投資する等。
投資商品なので、リスクがあるからリターンがあるわけで…。リスクを減らしたいなら、分散投資!
事業者リスクが不安なら、会社も分散!
…でも、ここまでやるのは正直面倒臭い…。投資口座を作るのに必要な書類等をたくさん用意しなきゃいけなかったり。
リスクを自分でコントロールできない!
貸倒や返済遅延のリスクに対して、私たち投資家はどうすることもできません。
例えば株であれば、株価が下がった時に、上がるまで待つとか、ここまで下がったら損切りするとか、自分の意思でリスクのコントロールができます。
単純に株よりは元本割れのリスクは低いかもしれませんが、リスクをコントロールできないというのは、投資をする上で結構なマイナス要因ですね…私の場合は。
ソーシャルレンディングの良いところ
放ったらかし投資に最適!
毎月積立の投資信託とかの比じゃありません。「値動き」ってものがないですからね。
もはや投資してることすら忘れるレベルです。
たまに配当がありました〜元本返還されました〜ってメール来て思い出します。
そして、「自分で判断する」という事がないため、投資を全く知らない人でもベテランさんでも、同じ案件なら同じ結果が出ます。
資金の分散という点ではアリ!
株式とは違う動きをするので、資金を分散して持っておくという点では、アリな選択かなと思います。
まとめ
ソーシャルレンディングのリスクに対して、なんとなくもやっとしていた部分が、少し明確になったと思います。
これは個人的な見解ですが、投資商品と考えた時に、全然悪いとは思っていません。リスクもそこまで大きいとは思わないです。事業者がしっかりしていれば。
(結局のところ、ここに尽きるんですよねぇ…)
リスクをコントロールできないというのは、案件を選んだら、後はプロにお任せ!ということになります。(そもそも案件もその人たちが選んできている)
需要が多くなったから、捌くために、融資の基準を甘くしてリスクの大きい案件をたくさん出すような所じゃ困りますよね。
今回のセミナーのように、ユーザーの前に出てきて、リスクについても細かに正直に説明し、質問にもきちんとお答えして頂いたこちらの3社は、投資家のことも大事にしてくれるかな、という良いイメージはありますね♪
まだ歴史の浅い業界で、法整備がされるのもこれからです。
私個人としては、(今の所は)メインの投資先にはしないけれど、資産の分散として持っておくのは良いかなぁと思っています。
ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング )は、投資家にとっても借り手にとっても魅力的な要素はたくさんあると思うので、今後制度がしっかり整えられ、周りの「監視の目」が肥え、情報がたくさん出回るようになって信頼度が高くなれば、ユーザーも自然とついてくるのではないかと思います。
※当ブログは、特定の投資商品を推奨するものではありません。投資はご自身の判断でお願い致します。