ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝様の最新著作
「一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版」
を読み終わりました。
今回はこちらの本の感想を書きます。
イラストやグラフ・表が多くてわかりやすい!
今回も、前回の著書と同じく、イラストやグラフ・表が多く、とてもわかりやすく書かれています。
税金・年金・資産運用……お金に関する制度はたくさんあって、今までお金の勉強をしたことがない人には聞き慣れない言葉も多く、わかりづらいです。
それを、全ページカラーでイラストやグラフ・表を使って、視覚でイメージに残りやすいようにうまく構成されているなぁと思いました。
時代の「流れ」にも対応
今回の増補改訂版は、2022年の年金制度改定に対応して書かれています。
最新の情報を学べるのはもちろんのこと、時代の流れに沿ったトピックも追加されているので面白く読むことができました。
私が特に気になったのは
・FIREの最適解
・おひとりさまの介護離職について
これらは、前回の著書では触れられていなかった(もしくはそこまで大々的に取り上げられていなかった)ように思いますが、これらはおそらくライフプランニングにおける「流行りのトピック」で、それについても著者の見解が記されています。
制度改正等の最新の情報だけでなく、時代の流れに沿ったトピックが追加されているのも、また次が出たら読みたい!と思わせてくれますね♪
「資産形成」がバランス良く学べる
資産形成は、節約をするとか、収入を上げるとか、今あるお金を増やすとか、自己投資をするとか、色んな方法があります。
これは、それらをバランス良く学べる本だと思います。
ライフプランニングの難しいところは、人それぞれ環境が違うので、必ずしも誰かの「正解」が自分の「正解」ではないことです。
(年齢・家族構成・年収・貯蓄額・働き方(会社員・フリーランスなど)・保険・どんな生活をしたいかなど……パターンは無数にあります)
この本では、多くの具体的なパターンが用意されていて、自分がどれに近いのか、またもし環境が変わった場合はどうなのかなど、ざっくりとしたイメージを持つことができます。
年金制度の正しい理解
日本では、20歳以上60歳未満の全ての人は何かしらの年金制度に加入する仕組みになっています。(第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者というやつです)
「年金」というと、65歳以降に受け取るお金に注目しがちですが、それだけではありません。
病気・怪我等で障害を負ってしまった時に受け取れる「障害年金」、夫婦のどちらかが先に亡くなってしまった場合に受け取れる「遺族年金」など、もしもの時の備えがあるのも年金制度の特徴です。
※これらの年金の受け取りには様々な条件があります。その点もこの本でわかりやすく説明されています
そして将来受け取る年金額は、増やすこともできるし、場合によっては減ったり貰えないこともあります。
年金の受取額を増やす:収入を上げる、長く働く、受給開始時期を遅らせる、追納※免除等により払っていない期間がある場合、国民年金基金・小規模企業共済※フリーランス など
年金の受取額が減る:60歳以降も働き、月収と老齢厚生年金月額の合計額が基準を超えた場合
年金が受け取れない:↑の条件により支給停止、基礎年金の加入期間が10年未満
…と、文章で書くとやっぱりわかりづらいですね…。
こちらも、詳しくはこの本にわかりやすく書いてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
また、公的年金制度だけでなく、iDecoやNISA制度(つみたてNISA含む)を利用した「じぶん年金」の作り方も多くの事例が紹介されています。
将来のライフプランを考える時、そして一生お金に困らずに生きていくためには、自身が受け取る年金額を含めた年金制度の正しい理解が必須ですね。
健康で働けることって、ありがたい
この本を読んで、私は改めて「健康で働けることってありがたいな」と思うようになりました。
現行の年金制度や資産形成において、核になるのはやはり労働収入です。
昨今は働き方も多様化しており、自分自身に合った働き方や働く場所を見つけることはとても大事!
そして、趣味や自己投資、仲の良い友達との時間など、今を大切にすることも忘れてはいけませんね。
もちろんこれは、30代独身でわりと仕事は好きな私の意見ですので、環境が違えば考え方も変わります。
この本は、お金の制度を学ぶだけでなく、自分がこれからどんな生活をしていきたいのか、そのためにどうやってお金の準備をしたら良いのかのヒントがたくさん書かれています。
これからお金の勉強を始めたい!という方にもオススメしたい一冊ですね!