こんにちは、めぐる(@fpmeguru)です。
今回は、先日参加した「FPフェア2020」の特別講演
アフターコロナの経済とFPを考える
講師:柳川範之氏(東京大学大学院経済学研究科)
のまとめと感想を書きます。
FPフェア2020 in東京のイベントの感想はこちら↓
金融資産と人的資産の分散が重要
この講義で、私的に一番大事だと思ったところです。
資産運用をしている方なら、「卵を一つのカゴに盛るな」というお話は聞いたことがあるかと思います。
これはリスク分散のことで、例えば一つの銘柄ではなく複数の銘柄に投資したり、資産を現金・株式・債券・不動産等に分けて保有したりと、割と浸透している考えです。
今回お話ししたいのは、人的資産。
柳川様によると、今後は「個」が主役になる時代だそうです。
オンライン化により、兼業・副業が容易になり
一つの地域に所属する
一つの企業に所属する
という時代は終わります。
最近のニュースだと、ANAが副業OKになった、みずほ銀行が週休3〜4日制導入を決めた等が有名ですね。
それまで会社が全てのコミュニティで、一生所属する(これはある意味、会社が自分の人生のマネジメントをしてくれているとも取れる)という価値観だったものが、個人の時代が来ることにより、自分でライフプランを立てる必要が出てくるということです。

それまで「人的資産のリスク分散」といえば、せいぜい家庭内で共働きをするくらいでしたが、今後は副業やスキルが大事になるとのこと。
「ここがダメになったら別のところ」
と、稼ぐ手段を複数持つというのが、新しい時代の人的資産の分散なのかもしれません。
※これらについて、以前ブログで私の経験を交えて書いた記事がありますので、よかったらこちらもご覧ください。
「個」で稼ぐことについて。フリマアプリを例に書いています。
人的資産のリスク分散。私は「後ろ盾」と表現していました。
デジタル化・オンライン化で重要なこと
デジタル化・オンライン化・自動化・機械化…
が進んでおりますが、これの大事なところ。
それで何がしたいのか
デジタル化・オンライン化というのは、今後の世界を変える大きな武器になると思います。
しかしそれは、あくまで手段でしかない。
ただやみくもにデジタル化・オンライン化というのは、本末転倒です。
中には非デジタル行動やリアルな活動に価値があることもあります。(デジタル化しない方が良い部分というのもある)
例えば、Amazonは、デジタルと非デジタル(リアル)の棲み分けを上手くやったとのことです。
Amazonの書籍の※リコメンデーションや評価コメントはよくできています。
※リコメンデーション…顧客の好みを分析して、好みに合う情報を提供するサービスのこと
「この本を読んだ方にオススメ!」みたいなの、出てきますよね。
あれを判断するのって実は結構難しいらしく、タイトルだけでは書籍の内容はわかりません。(タイトルは似ていても内容は全然違うこともある)
そこでAmazonは、本屋の店員さんに類書を紹介してもらったり、コメントを書いてもらったりして、それを機械に学習させたそうです。
人の経験を使った方が良いところもある。
ということですね。
他にも、空港のカウンターは今どんどん機械化が進んでいますが、ファーストクラスやビジネスクラスでは人が居たり(おもてなしの心?)、なんでも機械化すれば良い!というものでもないのでしょう。
ちなみに私はITとかAIとかの分野に疎いのですが、この講義を聞いて、AIについて少し認識が変わりました。
そもそもAIって何だ?というところから全然わかっていないのですが、柳川様がわかりやすい例を一つお話ししてくださったので、それを書きます。
医療現場において、レントゲンやCTなどの画像をAIで「これは問題なし」「これは病気の可能性あり」のように分ける場合。
これはただ大量のデータを読み込ませれば良いというわけではなく、「病気の可能性がある」ものを覚えさせなければいけません。
その「病気の可能性がある」というのを判断するのは、ベテランの医者の知見です。
無駄な情報は削ぎ落として学習させることが大事なんですね。
中には、例えば将棋や囲碁のAIのように、機械同士で試合をして勝手に学習していくものもありますが、その方が稀で、多くは人間の経験値が必要になるそう。

まとめると、それぞれの良さを理解して、特性を生かすことが大事ということですね。
「逆方向の動きが同時に進む」ことと不確実性
今後は新型コロナウイルスの影響もあり、「逆方向の動きが同時に進む」社会になり、それにどう対処するかも重要だそうです。
逆方向の動きとは、例えば
①地域分散化⇔都市への集中
②閉鎖経済化⇔グローバル化
③自動化・AI化⇔人の活用
この中だと②が一番イメージしやすいかな。
新型コロナウイルスの影響で、半ば強制的に人が動くことができなくなりました。観光業・インバウンドは大打撃ですね。
しかし一方、急速なオンライン化の拡大により、海外の方とも簡単に繋がれるようになりました。柳川様は海外の方との研究会議などもオンラインでやることが多くなったようです。(時差だけはどうしても問題だそうですが…)
どちらか一方ではなく、両方の動きが同時に進むことに、どう対処していくかが大事になります。
そしてこれからは、更に「不確実性」が増すとも言われています。
・将来の変化が見通せない→新型コロナウイルスはいつおさまるのか?特効薬は?ワクチンは?それによる経済へのダメージや生活の変化は?
・国際的な政治情勢の不透明性→アメリカの大統領選、米中関係…
・技術革新の行方→どんなものが出てくるのか?
不確実性が増す世の中だからこそ、適切なリスク分散が大事!!ということですね。
なので、今後FPの役割として
・トータルな意味でのリスク管理
・金融資産だけでなく、人的資産も考えた人生設計
が大事になってきます!
感想
とてもわかりやすく、今後のFPに大事なこともアドバイスして頂き、学びが多かったです!
私はFPとして、まだ誰かにアドバイスをできるようなレベルではないですが(お仕事はFPと関係ない業種で、FPの実務経験はないので…)、せめて自分の人生設計くらいはちゃんと考えられるようになりたいです。
今回改めてきちんと考えたいと思ったのが、人的資産の部分。
以前、収入の柱を増やす「副収入」について記事を書きました↓
今ある柱を大きくしていくことも大事ですが、新たな柱を創ることも大切だと気づきました。
ちょうどこの前、こんなツイートをしました。
専門的なことを独学以外で学ぼうとすると、どうしてもお金がかかるよね💦
今の所その分野に転職するつもりもないし(たぶん結構年収下がる。未経験だし…)、国家資格もないし。
学びたい分野の興味だけで何十万はなぁ〜😇— めぐる@資産形成ブログ📝 (@fpmeguru) October 9, 2020
少し興味のある分野のスクールを受講しようかと思ったのですが、今の仕事は辞めるつもりもないし、その仕事に転職したところで、下手したら年収は半分くらいに…。(しかも、その仕事をしたいだけなら資格がなくても働ける)
民間資格だし、興味はあるけれどお金勿体ないかなって正直思っていました。

でも、人的資産の面で考えたら、ここで自己投資をするのもありかもしれないと思いました。
お金ももちろん大事ですが、勉強できる時間と環境があるというこのタイミングも、実は結構大事なのかもしれないですね。
自分のことを考え直す、良いきっかけにもなりました☆柳川様ありがとうございました!