こんにちは、めぐる(@fpmeguru)です。
今回は
大きな挫折の経験と、そこから学んだこと
のお話です。
私の大きな挫折とは、前職で初めてプロジェクトリーダーを任された仕事が、失敗してしまったことです。
なおこちらのお話は、前回の記事「年間契約が解除できない!?クレジットカードのトラブルと「人を見る目」」の続きです。
Contents
プロジェクトの発足
仕事を始めて3年目。私は初めてプロジェクトリーダーに選ばれました。
そのプロジェクトは、学校や施設に向けての支援事業で、私が一番やりたい分野のお仕事でした。
当時の私は、このプロジェクトを絶対に成功させたい!!と意気込みすぎていて、冷静さを失っていました。
このプロジェクトは、私を含めて5人で行われました。(内1人は出資者)
メンバーは出資者が集めた人であり、私は出資者以外は初対面でした。
同じような活動をしている会社があった
プロジェクトの下準備を進めていくと、私たちがやろうとしていることと、同じような活動をしている会社がありました。
どうやら大学生が起業した会社のようで、学生数名で構成されている様子。
早速その会社の代表者とアポを取り、話をしてみたところ、方向性が同じで意気投合!
代表者は大学4年生で、とても真面目で一生懸命な好青年という感じでした。
(今思うと、このプロジェクトで出会った人間の中で、この人が唯一「誠実な人」だった気がする)
今後やりたいことや、どんなことを協力出来るか等を話し合い、「是非一緒にやりましょう!」という結論に。
チームのメンバーにも報告し、「力強い仲間ができたね〜」なんて、その時は浮かれていました。
あれ?返信が来ない…
その後何度か代表者とお話をして、まずはその会社のメーリングリストを使って、学生さんたちに簡単なアンケートを取ることを許可して頂きました。
(環境が十分でない施設や足りない物、今後どのようなイベントがあったら嬉しいか等)
その会社は大学生が起業したということもあり、同世代へのパイプが太く、100校以上の大学の生徒がそのメーリングリストに登録しているそうです。
(直接学生さんの声が聞けるなんて、今後の活動にかなり役立つな〜♪どんな意見が来るのかな〜!)
…しかし、メールの配信予定の日から一週間経っても、1通も返事が来ません。
(なんかおかしいな…ちゃんと送れてるのかなー?)
創業者から連絡が!!
疑問に思っていた矢先、その会社の創業者と名乗る人から、電話がかかってきました。
創業者「私◯◯会社の創業者の××と申しますが」
「(…!?何で私の電話番号知ってるんだ?)
はじめまして、●●(プロジェクトチームの名前)のめぐるです。お世話になっております!」
創業者「どうですか?アンケートをしていたみたいですが、何か反応ありましたか?」
「…あ、御社のメーリングリストを使わせて頂きありがとうございます。そうですね、まだどなたからも返信はないので、ちょっと確認し…」
創業者「そうでしょうねぇ〜!!笑
まぁ、僕の方から止めさせて頂いたので。●●っていう怪しい団体が何かやろうとしているみたいだから、このメールには絶対に返信しないようにって。
ま、誰からも連絡来ないでしょ?僕が一声掛ければあの連中は、絶対に動きませんから」
「…え?どういうことですか?こういう内容のメールを配信することは、代表者の△△さんから許可を得ておりますが」
創業者「あぁ〜!そうですね。この度は、奴が勝手なことをして大変失礼いたしました。奴には、キツく言っておいたんで!困るんですよね〜勝手なことされると」
ここから先の会話は、ほとんど覚えていません。
「貴方たちの力なんてそんなもんですよ」とか「もうこういう活動には二度と関わらないで下さいね。まぁこんなに悪い噂が流れちゃったら、活動もできないと思いますけどね」みたいなことを言われた気がします。
私は特に何か言い返すこともなかったのですが(あまりに唐突だったので、言葉が出なかった)、電話を切った後、悔しくて涙を堪えきれませんでした。
何でこんな風に言われなきゃいけないんだ?
私はただ、誰かの役に立ちたい、誰かに喜んで欲しいと思っていただけなのに。
まるで詐欺まがいのことをしているような濡れ衣を着せられ(そもそも、まだ何も活動してなかったけど…)、たくさんの侮辱の言葉を受けて。
そして何より、学生さんたちを「あの連中」と言った。一緒に働いている同い年くらいの仲間を「奴」と言った。
私にはそれがもう、とにかく嫌な感じだった。
何でこんな奴が、私のやりたい事を牛耳っているんだ。納得のいかない事ばかりだった。
代表者から泣きながら連絡が…
しばらくして、その会社の代表者から電話がありました。
代表者「めぐるさん!!本当に…本当にすみませんでした!!こんなことになってしまって…。
あの、僕が悪いんです!僕がメーリングリストを他の人に使わせるのを、創業者に確認しなかったから…
めぐるさんの名前にも傷をつけてしまって、もう本当に何てお詫びしたら良いか…」
電話越しですが、明らかに泣いているのがわかります…
「いえ、こちらも、創業者の方まで気が回らなくて、挨拶にも行ってなかったですし…。こちらにも落ち度がありますので」
代表者「本当に申し訳ありませんでした…。それと、創業者に、今後一切めぐるさん達とは関わらないように言われてしまって…」
「そうだろうと思います。こちらとしても、このようなことをされては一緒に仕事することもできません」
代表者「そうですよね…。あの、個人的に、めぐるさん達とお話させて頂いて、凄くいい方ばかりで…協力して色んなことができそうだなって思ってたので、こんなことになってしまって本当に本当に、すみませんでした」
戦わなかった理由
このことは、すぐにチームのメンバーに報告しました。
出資者は「弁護士をつけて戦ってもいい」と言っていましたが、私は戦う気はありませんでした。
その理由として、創業者がどんな人間であれ、その会社のサービスは意外と行き届いていることがわかりました。
協力して出来ればもっと色んなものを提供できたとは思いますが、まぁ私たちがそこまでしなくても、現状である程度学生さん達に満足してもらえているのかな、という状況でした。
チームがばらばらになった理由
このことをきっかけに、チームは完全に崩壊してしまいました。
私以外の人たちは、出資者を慕ってプロジェクトに参加してくれたわけで、私が慕われていたのではなかったのです。(出資者が私の仕事ぶりを買っていたため、最初は皆ついてきてくれたけれど)
そしてプロジェクトの内容にも、皆さほど興味がなく、熱量の違いは明らかでした。
アイツを訴える!あの会社をどう潰す!なんて騒いでいるメンバー(出資者含め)を、私はとてつもなく冷めた目で見ていました。
学生さん向けの活動は厳しくなってしまいましたが、まだ色んな施設への支援活動の道は残されています。
しかしこの件で出資者と方向性の違いが出てきた時にはもう、誰も私の意見に賛同してくれる人はいませんでした。
私の落ち度
このプロジェクトが失敗に終わったのは、私のやる気の空回りの部分が大きかったと思います。
とにかくこのプロジェクトを成功させたい!!と思うあまり、色んなことを焦って進めてしまいました。
事が落ち着いてから、信頼できる先輩に、このプロジェクトのことを少し話しました。
先輩「えっ!?めぐる◯◯会社の人と会ったの!?大丈夫だった?」
「え?なんか代表者は良さそうな方でしたよ。創業者は電話で話しただけですが、かなりヤバそうでした…笑」
先輩「創業者って××でしょ?あれ昔A社(業界の最大手)とトラブって絶縁状態なんだよ。もうホンッット世間知らずでクソ生意気な学生って感じで、A社の会長マジギレしてたよ。この業界でA社敵に回すとか、まぁ……若いよね。もちろんウチも全案件お断り」
「え、そうだったんですか」
先輩「そういう人たちと絡んだら、めぐるの立場も悪くなるよ。まぁ今回のことはあんま知れ渡ってないみたいだから良いけど笑。
ってか、そういう事あるなら相談してよ!一応めぐるより長くこの業界にいるんだからさー。知らないと面倒臭い人間関係とか、結構あるよ?」
新しいことを始めるのに、下調べや根回しは結構大事だと私は思います。
それが今回は、あまり周りに相談をせずに進めることが多かった気がします。
プロジェクトの進行も、きちんと準備が整わないうちにあれもこれもと手をつけていたような…。
行動に移す前に、こういった信頼できる人に一言でも話していたら、
避けられたトラブルというのも、結構あったんじゃないかなと思いました。
(ちなみに出資者もかなり評判が悪い人でした…)
嫌な人間とたくさん出会った
これは私にとって大きな挫折の経験でしたが、その一番の理由が
短期間に「嫌な人間」とたくさん出会った
ということです。
まずは大学生で起業したという創業者ですが、実際会ってもいないし電話したのはおそらく5分程でしょう。
それでも、私が今まで出会った嫌なヤツランキング3本の指に入ります。笑
私に対して馬鹿にしたような態度や侮辱の言葉も決して許されるものではありませんが、私がとにかく気に入らなかったのが、学生さんたちを「あの連中」と呼んだこと。そして一緒に仕事をしている代表者を「奴」と呼んだこと。
何故、そんなに上から目線なんだ?
あなた、どれだけ偉いの?と思いましたね。
この人が、何の目的であの会社をやっていたのかはわかりません。(学生さん相手のボランティアみたいなもので、お金を稼ぐようなシステムではない)
別の会社が儲かっていて節税対策なのか、承認欲求なのか、信者を集めて何かをやりたいのか…
まぁとりあえず、私にとってはとんでもなく失礼な人だったなぁ。
あとは、プロジェクトの出資者ともお金のトラブルがありました。
詳しくは以下の記事に書いています↓↓
出資者が連れてきた他のメンバーは、「同じ目標に向かって協力する」という感じではなく、「出資者についていく」というタイプの人たちでした。
最初こそ私にも賛同してくれましたが、出資者と私がプロジェクトの方向性で意見が食い違うようになると、掌を返したように態度が変わりました。
最後の方はチームで集まっても、ゲームをしていたり漫画を読んでいたり、これはもうだめだな…と思い、私はプロジェクトチームを解散することを決めました。(ちょうど出資者からも、「もう続けるのは難しいんじゃない?」と言われたところでした)
でもね、きっとみんな、私のことも「嫌な奴」だと思っていたんじゃないかな。
創業者からしたら、見知らぬ人間が自分のテリトリーに勝手に入ってきたように感じたのかもしれない。(とはいえ、対処の仕方は酷いけれど…)
チームのメンバーは、熱量が違いすぎたのもあり、私が勝手に暴走しているように見えたかもしれない。この人面倒臭い、言うこと聞いてりゃ良いんでしょ?と感じていたかもしれない。
こういう負の連鎖が起きてしまったのは、私が「プロジェクトを絶対に成功させたい!!」とう目標のもと、自分にとって都合の良い人・利用価値のありそうな人だけを集めてしまった結果なのかな。
権力は一瞬、人徳は一生。
あの創業者が今何をしているのかは、わかりません。
でも私は、きっと、幸せにはなっていないだろうな〜と思っています。
まぁ、気休めにそう思っているだけです。笑
私はこの経験をして、そして今まで色んな人たちを見てきて
権力は一瞬、人徳は一生
なんじゃないかな、と思っています。
プロジェクトが失敗したのも、きっと私は無意識のうちに権力を振りかざしていたんだと思う。
短期的に人を支配したいのなら、権力や威圧は効果的かもしれません。
でもそんなのは、長く続かない。権力を目的に集まってきた人たちは、離れていくのも早いでしょう。
そして意外と、人や物の利用価値なんて、脆いんじゃないかな。取って代わるものなんていくらでもあるし。結局、周りに素敵な人たちが長く居るのって、その人の人徳なんだと私は思っています。
あの創業者が、心から誰かに慕われ、ピンチの時でも助けてくれるような人たちが周りにたくさんいるとは、私は思えないのです。
この出来事は、今思い出しても悔しさがこみ上げてくるくらい、たくさんの反省点があったし自分の未熟さを知ったし、ものすごく落ち込んだし、大きな挫折でした。
しかしその分、大切なことに気付けました。
ダメージも大きかったけれど、人間的に成長できた出来事だったと思います。