こんにちは、めぐる(@fpmeguru)です。
今回は私の地元のお友達の話。
守られる安心と不自由な選択〜「お嬢様」の生き方〜
お友達はどんな子なのか
今回は私の地元のお友達(仮称:G子ちゃん)のお話です。
はじめに、G子ちゃんがどんな子なのかご紹介です。
・ご両親が会社を経営していて、そこで働いている
・広い一戸建てとお庭のある家に住んでいる
・ご両親の車はレクサス(G子ちゃんは運転が苦手らしく軽自動車)
・驕ったようなところはなく、むしろ謙虚で努力家
・一人っ子。28歳でお見合い相手と結婚。旦那様は婿養子
うちの地元は田舎なので、「お嬢様」といってもタワマン!億ション!セレブ!!という感じではありません。笑
「お嬢様」より「育ちが良い」という方がイメージに合うかな。
性格はとても素直で謙虚で努力家です。
「お嬢様」というと甘やかされて育ったんじゃないの?と思いますが、むしろ凄く頑張り屋さんで根性あります。学生時代も勉強にスポーツに人一倍努力をして結果を残していました。
大学を出て、ご両親の会社で働いていますが、十数年働いてずっと会社が順調だったわけではありません。
一時期ほんとに倒産寸前まで追い込まれたらしいですが、その時G子ちゃんとご両親は、毎日夜中2時くらいまで働いていたそうです。
「親がお金持ち」というアドバンテージ
今回は「親がお金持ち」という子の生き方についてのお話です。
「お金持ち」といっても、その暮らしから推測するに世帯年収2000〜3000万円くらいでしょうか。
(それ以上のセレブの生活はわかりません。笑)
親がお金持ちというのは、自身の資産形成においてもアドバンテージであることは間違いありません。
例えば、同じように大学を出て就職しても、親が教育費を全て用意してくれた場合と、奨学金を借りた場合では、この時点で何百万円もの差があります。
他にも、結婚資金や住宅資金を援助してくれたり、孫の教育費の援助もあるかもしれません。
※これらは贈与税が非課税になる制度があるので、相続税対策としても使われているようです
また、親に「お金の知識」がきちんとあると、子供に対してもお金に関する有利なことをしてくれている場合があります。
例えば日本では、大学生でも20歳になったら国民年金の保険料を納めなくてはいけません。
しかしこれは一定の条件のもと、親が代わりに子供の国民年金の保険料を支払うことができます。(しかも親の社会保険料控除の対象になる)
こういう細かい事は、G子ちゃんとお話していて初めて知ったこともあります。他にも保険を使った節税等、色々とあるようです。
メリットだけを見ると「いいなぁ〜羨ましいなぁ〜」と思いますが、そういう子にはそういう立場の悩みや葛藤もあるようです…
住むところの自由
「めぐるちゃん〜!マンション入居したんだって!?いいないいなぁ〜♪」
「うん!ありがと〜是非遊びにきて♪」
「行きたい〜!!しかも上の方買ったんだよね?景色も良さそう」
G子ちゃんはマンション暮らしに憧れがあるらしく、私がそのマンションを買ったと言うと、建設途中の写真を送ってくれたりしていました。笑
「G子ちゃんはお家買う予定ないの?」(今は旦那様と賃貸アパート暮らし)
「あ、うん、お家は買えないんだよねー。なんか相続税の関係で、お家買うと色々面倒みたい。実家の相続で、お父さんとお母さんが急に亡くなっちゃったら、別のお家買ってるとすご〜く相続税かかるみたい!なら夫の名義で買えばいいじゃん♪って思ったら、それもダメだった。笑 でも賃貸なら大丈夫なんだって〜」
※おそらく小規模宅地等の特例と家なき子特例のことを言っている
親がお金や不動産を持っていると、こういう不自由さもあるのか…と思いました。
職業の自由
「めぐるちゃんはホントにすごいよ〜!自分でマンションも買っちゃうし、仕事も自分の好きな分野の事やってたじゃない?私凄く憧れてたんだぁ。自立しててかっこいいなって」
「いやいや…照れるな〜!笑
でも、G子ちゃんだってご両親の会社の役員じゃない。それもすごい覚悟だと思うよ。立派なことだよ」
「え、そうかなぁ?なんか私は、昔からあんまり自分で色んなこと判断できないっていうか…。この仕事も、やるのが当たり前の感覚だったし…」
「それでもしっかりやってるんだから偉いよ。他に何かやりたい仕事とかあったの?」
「うーん…なかったわけじゃないけど、それよりも毎日忙しく働いてるお父さんとお母さんを少しでも楽にしてあげたいって思いのが強かったかな」
(めっちゃいい子!!!)
「お父さんとお母さんもね、好きなことやりなさいって言ってくれたんだけどね…結局戻ってきちゃった。へへっ」
ご両親が会社を経営していると、自然とこういう感覚になるのでしょうか?
仕事に関してG子ちゃんは後悔などはないようですが、もしご両親の会社がなかったら、どんな仕事に就いていたんだろうなぁ?
恋愛の自由
「G子ちゃんは本当に親孝行だよ!素敵な旦那様も見つけてさ!」
「お見合いだけどね〜笑」
「それも一つのご縁だよ〜♪旦那様がご両親の会社を継ぐ予定なんだっけ?」
「うん♪すごく優しいし、お家のことも理解してくれて、ほんとありがたいと思ってる!」
「いいねいいね〜(羨)」
「それまで付き合ってた人たちはね、お家のこと話すとあんまり上手くいかない事多くて…。やっぱりちょっと感覚が違うのかなぁ?知らぬ間に重荷になっちゃってたのかも」
「え、そうなの?」
「う〜ん。うちは家族と仕事が一緒になっちゃってるからねー。後継者のこともあるし。
会社継いでくれる人!とか婿養子になってくれる人!なんて、条件じゃなかったんだけどね。そうしてくれたらありがたいってだけで…。
っていうか、本当に好きな人だったら、そんなの関係なしに付き合って結婚してたと思う!笑
私には、そこまでのパワーがなかったのかなぁ。結局色んなものを捨てる勇気もなかったっていうか…親が敷いたレールを外れる勇気もなかったっていうか…
あ、夫のことはもちろん大好きだよ☆でもやっぱり親が選んだ人で、恋愛以外の居心地の良さもあるし、私この歳になってもまだ自立できてないんじゃないかって」
この話を聞いた時に、G子ちゃんが高校生の時にお付き合いしていた男性が、ご両親の猛烈な反対にあって、お別れしたことを思い出しました。
(かなり問題のある人だったので、正直私はご両親と同じ意見だったのですが…)
G子ちゃんがその人のことを思い出して話しているとは思っていませんが、G子ちゃんなりに色々と考えたことはあったんだと思う。
自立していないのか、守るべき大事なものがあるのか
G子ちゃんは度々「自立していない」という言葉を使います。
確かに、ご両親に大事に育てられ、ご両親が望むような道を歩んできたのかもしれない。
でもそれって、本人の努力でもあると思うのです。
その方が楽かもしれないし、守ってもらえるかもしれない。でも一人の人間なんだから、ちゃんと意思はあるはずです。
G子ちゃんは、ご両親や自分の育ってきた環境を大事にしていて、それを立派に守っているんじゃないかな。
人と違うことをしたり、目立ったり、自己主張をしたり、というのが「自立」ではないはず。
今回は「親がお金持ちの子」の悩みや葛藤の一例でした。
一見楽そうに見える環境かもしれませんが、その子にはその子なりの苦労や不自由さがあるものですね。