「妻のトリセツ」
著者:黒川伊保子
この本を知ったきっかけは、著者の黒川さんがテレビに出演していて、この本をご紹介していたからでした。
その時、なんて本を出してしまったんだ…!!
と思いましたね。
黒川さんは本の紹介で
「例えば、女性が「一人にして!」と言いますね。この時男性は、本当に女性を一人にしてはいけないのです」
(え、本当に一人になりたい時つきまとわれたら、それこそ機嫌悪くなるけど!!笑)
そんなの、人それぞれじゃない?
その本の影響で「女ってこうなんでしょ?」って一緒くたにされるのも、なんか腑に落ちないし!
…と、最初は正直この本に対して否定的な気持ちがありました。
でも、内容を見もせずにそういうのって良くないね!
と思って、読んでみることにしました。
※ネタバレが嫌な方は、この先は見ないでくださいね☆
そこには私の「絶対になりたくない人間像」があるハズ…だった
誰にでも「こんな人になりたい」「こんな人にはなりたくない」って気持ちはあると思います。私にも、あります。
私は
可愛げのある人
でいたいです。
(30過ぎて何言ってんだと思うかもしれませんが、外見だけではなく、何歳になっても可愛らしい雰囲気の人はいます)
この本に出てくる女性(妻)のイメージって
・いつも機嫌悪い
・急に怒る
・とにかく感情的、理不尽、話が通じない
みたいな感じだったんですよ。読む前は。
これ全然可愛くない(。・ω・。)
読む前は。
そんな人(もはやモンスター)と一緒に居たくないでしょ…同性の友達でも嫌だわ。大人なら自分の機嫌くらい自分で取ろうよって思うし、とにかくこの本は読んでて嫌な気分になるんだろうなと予想していました。
ところが!!!
この本を読んだら、女性のそういう所(感情的の起伏が激しい、いつも怒っている等)も可愛げの裏返しなんだと気づいた。
前書きの時点で凄く大切なことが書いてあります。
理不尽な妻の怒りに関して
「怒り」は「期待」の裏返し。夫一筋、家庭一筋の妻ほどこうなる傾向にある。
表現方法が「怒り」なのはどうなんだ?とは思いますが、本質的な部分はめちゃくちゃ可愛いではないか。
そして、読み進めていくうちに
「あ〜わかる!あるある!!」
という事も多く、なんだか女子会ノリで楽しく読めました♪
妻の意味不明な行動を理論立てて説明している部分も多く、よくわからないけどこういう事あるよねっていうものをスッキリと理解できて、自分自身の分析へも繋がった気がします。
男性がターゲットの本ですが、女性が読んでも面白いですよ!
女性のコミュニケーションは「共感」
これは納得。女性として生きてきたら、自然と身についていたなぁ。
とにかく「共感」のフレーズをたくさん持っています。
反対の意見を言おうとするときも
「わかる。わかるよ〜!でもさ…
って始めて、終わりは
…だと私は思う。」とか
…こういうのも、あるんじゃないかな?」
というフレーズを使う。
意識しているわけじゃないんですけどね。もう、自然と。
たまになんでも否定から入る人もいますが、女性だけの中だと、そういう人ってちょっと浮いたり、苦手だなって思われることも多いです。
これって女性特有のものなのかなぁ?
「無駄な努力」を知るべし
これは、この本の中で私的に1番大事!!と思った所だったのですが、あまりにさらっと書かれていて、危うく見逃す所でした。笑
男性は事実の通信線を
女性は感情の通信線を大事にするそうです。
例えば、何度言っても夫がトイレの便座を上げっぱなしにする場合。
男性に伝わりやすいのは
「便座を上げっぱなしにするリスク(妻や子供が気づかず座ったら危ない、怪我をするかも)」を言うこと。
しかし多くの女性は
「どうして何度言ってもやらないの!?私のことバカにしてるでしょ!」
というように、感情で訴えてしまうそうです。
これ、感情で訴え続けるのは、無駄な努力だって女性側が気づいた方が楽だと思う。
人は苦手なことって必ずあります。男性も女性もね。
苦手なことを直すのって、すご〜く難しいです。というか、無理なことも多い。
そもそも気づけない事を、わかれ!理解しろ!と言われても、無理なんですよ。だってそれはサボったり蔑ろにしているわけじゃなく、最初の「気づき」ができないんだもの。
勿論、感情で訴えて理解してくれる人もいます。
ただ、それを続けても一向に変わらない人は、きっとその方法じゃ変われない。
それなら、伝え方を変えてみるか、諦めるしかない。
…って私は思って今まで生きてきたけれど
その人と、これからも一緒に居たいから怒り続けるんだよなぁ。
楽なのは「他人に期待しない。他人は変わらない」と思って、自分が変わるか諦めるかだと思うんだけど、夫婦という関係的にはそれは良くないのかなぁ??
きっとこの大切な事を、さらっとしか触れていないのは、この本は男性に読んでもらうものと思って書かれているからなんだと思います。
「無駄な努力」と気づかなければいけないのは女性の方ですからね。
そして私が女性だから、ここが1番大事だと思ったのかもしれません。
人を試すのは、やめた方が良い
この本の中に「心と裏腹な妻の言葉を翻訳する」という所があります。
例えば
「一人にして」→この状況で一人にしたら、絶対に許さない
(テレビで著者の黒川さんが例に出していたヤツですね)
「みんな私が悪いんだよね」→えっ?それって私が悪いの?私のせいなの?あなたのせいでしょ。
「あっち行って!」「勝手にすれば」「自分でやるからいい」「なんでもない」「別れる」
…よ~~く聞くセリフだ!!笑
そして、絶対に1回は言ったことのあるセリフばかりだ。
これに関しては、個人的な経験からの意見ですが、絶対にやめた方が良い。
特に「別れる」は、本気で別れようと思っている時以外言ってはいけない。
いつも「そんなこと言うなよ」「俺は別れたくないよ」と返してくれていたとしても
いつか「そう、わかった」って、本当に別れちゃうかもしれないんだよ。
ちなみに私はこれを経験済みだよ!!(泣)
※結婚はしていないので、彼氏彼女の関係でしたが
愚かだった。あんなに大好きだったのに…。
相手の気持ちを試したり思ってもいないことを言ったりして、自分が幸せになったかというとそんなこともないし、とにかく相手を疲弊させただろうな、と思う。
ホントに、なんにもいいことない。
これを気づかずにやっている人(女性に限らず)こそ、気付いて欲しい。私的には、幸せになる未来はあまり見えない。
私はその経験から、わかってほしい事や何かしてほしい時は、ハッキリと明確に伝えた方が良いという結論に至りました。
「察して欲しい」という気持ちがないわけではありませんが、コミュニケーションをうまくとるためには、もっと他のことに重点を置いた方が良いのかなって。
(私だって相手のことを考えたり思いやったりしていたつもりだけど、相手の本当の気持ちなんて全然わかってなかったかもしれないしね~)
「気づき」の多い本でした
具体的な話も多く、「気づき」の多い本でした。
例えば、家庭(実家)での立ち振る舞いや、「名もなき家事」の説明、買い物に対する男性脳と女性脳の違い、妻を絶望させるセリフ(しかも、よく聞くセリフ)、妻の言葉の裏の気持ち、記念日のこと…
妻(彼女)のことがよくわからない、なんかいつも不機嫌…って思っている人は、一度読んでみたら、何かのヒントがあるかもしれません。
女性が見ても、自己分析も兼ねて、気づきがとても多かったです。
もしかしたら
「なんで男ばっかりこんな理不尽なことを受け入れなきゃいけないんだ!」
って思うかもしれません。
でもね、誰かと楽しく気持ち良くやっていくというのは、それなりの努力が必要なんですよ、お互いに。きっとね。
そして、そういう気持ちって、結局自分に返ってくると思います。
「なんで女ばっかりこんな色々やらなきゃいけないのよ!」
って。
結婚生活をしたことのない私が、色々と言える立場ではありませんが
いがみ合うのは嫌だなぁ…。
お互いに感謝の気持ちを忘れずに、素直に楽しく、たまに喧嘩しても仲直りして、自分の生活にそんなパートナーがいたらとても素敵なことだと思うのです。
次は、同じく黒川さんが書かれている「夫のトリセツ」も読んでみたいと思います!